【最新版】アドマイヤマーズ産駒の特徴と評価|成績・傾向・活躍馬と一口出資の考え方

はじめに
近年の一口馬主クラブにおいて、「新種牡馬の評価」は出資判断の中でも特に悩ましいテーマのひとつです。現役時代の実績は申し分なくとも、種牡馬として成功するかどうかは別問題――そんな言葉を、競馬ファンであれば一度は耳にしたことがあるでしょう。
今回取り上げるアドマイヤマーズは、現役時代に朝日杯フューチュリティステークス、NHKマイルカップ、そして香港マイルと、国内外のG1を制した名マイラーです。父はダイワメジャー。スピードと勝負根性を武器に、2歳から古馬まで第一線で戦い続けたそのキャリアは、今なお高く評価されています。
そんなアドマイヤマーズが種牡馬入りして数年が経ち、産駒の実力がはっきりと見え始めるフェーズに入りました。2025年に産駒のエンブロイダリーが桜花賞・秋華賞の牝馬二冠を制し、さらに2026年のヴィクトリアマイルも勝ってGI3勝。アドマイヤマーズは一躍「結果を出した種牡馬」として注目される存在になっています。
本記事では、アドマイヤマーズの現役時代の実績をあらためて振り返りつつ、スタッドインの背景、種付け料と頭数の推移、産駒の傾向、そして代表産駒エンブロイダリーの活躍を中心に、種牡馬としての現在地を整理します。そのうえで、一口馬主目線で「どんなタイプの出資者に向く種牡馬なのか」「どこに期待できて、どこに注意すべきか」といった出資判断のヒントまで踏み込んで考察していきます。
アドマイヤマーズ産駒への出資を検討している方はもちろん、「最近評価を上げている理由を知りたい」「他の新種牡馬とどう違うのか気になる」という方にも、判断材料となる内容をお届けできればと思います。
1. 現役時代の戦績と評価
アドマイヤマーズは父ダイワメジャー、母ヴィアメディチという血統背景を持ち、2017年のセレクトセール1歳市場で近藤利一オーナーに5,200万円(税別)で落札されました。栗東・友道康夫厩舎に預託され、デビュー前から評判馬として注目を集めます。
2歳6月にデビューすると無傷の3連勝で朝日杯フューチュリティステークス(G1)を制覇し、この年の最優秀2歳牡馬に輝きました。朝日杯FSでは当時牝馬ながら圧倒的人気だったグランアレグリアを退け、2着馬に2馬身差をつける完勝劇でした。この勝利は近藤利一オーナーにとって最後のGIタイトルとなり、後に陣営は香港遠征時に近藤氏ゆかりのレストランで健闘を誓い合ったといいます。まさに馬も人も一丸となって勝ち取った勝利でした。
明け3歳ではクラシック路線にも挑戦。共同通信杯で初黒星を喫し、皐月賞は4着と惜敗しましたが、距離適性を考慮してマイル路線に戻ります。中2週で臨んだNHKマイルカップ(G1)では再びグランアレグリアとの対戦が注目され、結果はアドマイヤマーズが半馬身差で勝利しました。平成から令和へ元号が変わって最初のJRA・G1となった同レースを制し、鞍上のM.デムーロ騎手が「令和最初のGIを勝てて最高に気持ちいい」と喜んだエピソードは有名です。
秋には海外遠征を見据え、富士ステークスで9着に敗れるアクシデントもありましたが、目標の香港マイル(G1)で巻き返します。クリストフ・スミヨン騎手との新コンビで挑んだ香港マイルでは、地元香港の絶対王者ビューティージェネレーションや同世代の春秋マイル王インディチャンプら錚々たるメンバーを相手に堂々たるレース運びを披露しました。直線で内のビューティージェネレーションを差し切り、最後は迫るワイククとの叩き合いを制して優勝。この勝利は香港マイルの歴史でも初の3歳馬による優勝という快挙であり、亡き近藤オーナーへの最高の手向けともなりました。
4歳時もドバイターフ遠征計画がありましたがレース中止(コロナ禍)により叶わず、帰国後は安田記念6着、秋はスワンS3着からマイルチャンピオンシップ3着と健闘します。そして連覇を狙った香港マイル(4歳暮れ)ではゴールデンシックスティの前に3着に敗れました。このレースをラストランに現役引退が発表され、友道調教師は「海外遠征でも頑丈さを見せてくれた。この丈夫さを子供たちにも伝えて活躍馬をたくさん出してほしい」とコメントしています。
通算成績は国内11戦5勝、海外2戦1勝、生涯G1勝利3つ(朝日杯FS、NHKマイルC、香港マイル)という輝かしい実績でした。マイルを中心にスピードと勝負根性を発揮し続け、「令和最初のGIホース」「近藤利一氏最後の大物」として競馬ファンの記憶に残る存在です。
2. スタッドインの背景と注目度
アドマイヤマーズは4歳末の香港遠征を最後に現役を退き、5歳となった2021年から社台スタリオンステーションで種牡馬入りしました。スピードと実績を買われての種牡馬入りであり、父ダイワメジャーの後継種牡馬として大きな期待が寄せられました。父のダイワメジャー自身、マイルGIを複数制し種牡馬としても多数の活躍馬を出しましたが高齢となっており、その直系後継としてアドマイヤマーズが名乗りを上げた形です。
スタッドイン当初の種付け料は300万円と、同世代の新種牡馬の中では手頃な設定でした。初年度は115頭もの繁殖牝馬を集め、名門ノーザンファームをはじめ多くの牧場が交配を実施。2年目は種付け料がやや下がった影響もあってか頭数107頭とやや落ち着きましたが、それでも一定の繁殖牝馬を確保し続けました。産駒がデビューする前の段階では「マイル巧者の後継」という期待と同時に「距離の壁はどうか」といった声もあり、様子見の生産者もいたようです。しかし初年度産駒のデビュー前評判が上向くと2023年には129頭、2024年も125頭と再び種付け頭数は増加傾向を見せます。
迎えた2024年、いよいよ初年度産駒がデビューすると、早くも複数の勝ち上がり馬を出して注目度が一気にアップしました。すると翌2025年には種付け料が250万円から500万円へと一気に倍増し、それにも関わらず種付け頭数は自己最多の162頭に達しています。これは初年度の約1.5倍という盛況ぶりで、生産界からアドマイヤマーズ産駒への期待が高まっている証拠と言えるでしょう。「ダイワメジャーの後継がようやく現れて良かった」と語る生産者の声もあり、今や注目度は世代トップクラスの新進種牡馬です。
血統的には、父系にサンデーサイレンス系のスピード、母系に欧州血統(母父Medicean)由来のしなやかさを併せ持つ点が魅力です。サンデー系種牡馬としては配合の幅も広く、クロフネやストームキャット系など多様な繁殖牝馬との組み合わせが試みられています。友道調教師の言葉通り「丈夫さ」を受け継ぐ産駒を多数出すことができれば、今後さらに評価が高まっていくでしょう。
3. 種付け料と頭数の推移
アドマイヤマーズの種付け料および種付け頭数の推移は以下の通りです。
| 年度 | 種付け料(受胎条件) | 種付け頭数 |
|---|---|---|
| 2021年 | 300万円 | 115頭 |
| 2022年 | 250万円 | 107頭 |
| 2023年 | 250万円 | 129頭 |
| 2024年 | 250万円 | 125頭 |
| 2025年 | 500万円 | 162頭 |
| 2026年 | 500万円 | — |
初年度は300万円でスタートし、その後一旦250万円に減額されています。これは新種牡馬によく見られる「様子見」の傾向で、産駒の出来を見極めたい牧場側の意図もあったと推察されます。しかし2024年デビュー組の活躍により2025年は種付け料・頭数ともに大きく跳ね上がりました。特に2025年シーズンは種付け料500万円にも関わらず162頭が集まっており、産駒成績が優秀だったことから配合希望が殺到したようです。これは同世代のサートゥルナーリアやルヴァンスレーヴなど他の新種牡馬と比べても屈指の人気ぶりです。
産駒の市場評価も、エンブロイダリーの活躍を境に明確に上がりました。種付け料は2022〜2024年の250万円から2025年に500万円へと倍増し、2026年度も同額を維持。種付け頭数も2024年の125頭から2025年は162頭へ増えています。一口クラブの募集価格帯も、以前の2,000万円台中心から3,000万〜6,000万円台へと上がってきました。
4. アドマイヤマーズ産駒の最新成績データ
評価の土台になる数字を整理します。データは2026年8月時点のもので、随時更新していきます。
JRAでの産駒成績(2026年8月9日現在)
| 項目 | 累計 | 2026年 | 2025年 |
|---|---|---|---|
| 出走頭数 | 124頭 | 88頭 | 97頭 |
| 勝馬頭数 | 47頭 | 23頭 | 28頭 |
| 勝馬率 | 37.9% | 26.1% | 28.9% |
| 出走 / 勝利 | 741戦87勝 | 261戦26勝 | 365戦42勝 |
| 芝 | 492戦61勝 | 157戦16勝 | 242戦28勝 |
| ダート | 245戦25勝 | 100戦9勝 | 123戦14勝 |
| 重賞 | 38戦5勝 | 13戦2勝 | 23戦3勝 |
| EI(賞金効率) | 0.96 | 1.27 | 1.36 |
| 入着賞金 | 16億8,737万円 | 6億120万円 | 8億7,856万円 |
| 種牡馬ランキング | — | 23位 | 23位 |
芝492戦61勝に対してダートは245戦25勝。芝が主戦場で、勝ち星のおよそ7割を芝で挙げています。平均勝ち距離は芝1,675m(2026年)と、父の現役時代そのままのマイル前後です。
そして押さえておきたいのが重賞の内訳です。累計38戦5勝という数字は立派ですが、この5勝はすべてエンブロイダリー1頭によるもの。EIが1.2〜1.3と平均を上回っているのも、彼女の賞金が大きく効いています。「層の厚さ」ではなく「1頭の傑出」で数字ができている、というのが2026年夏時点の正確な姿です。
5. アドマイヤマーズ産駒の主な活躍馬
エンブロイダリー(牝・シルクレーシング)— GI3勝
母ロッテンマイヤー(母父クロフネ)、ノーザンファーム生産、森一誠厩舎。募集価格3,000万円(1口6万円×500口)で、獲得賞金は5億4,781万円。通算11戦7勝。
- 2025年 クイーンカップ(GIII)1着 ※レースレコード
- 2025年 桜花賞(GI)1着
- 2025年 秋華賞(GI)1着
- 2026年 阪神牝馬ステークス(GII)1着
- 2026年 ヴィクトリアマイル(GI)1着
桜花賞・秋華賞の二冠に加え、古馬になってヴィクトリアマイルも制覇。3,000万円の募集馬が5億円以上を稼いだという事実は、一口馬主にとってこの種牡馬を語るうえで外せません。母父クロフネという配合も、後述する「サンデー系を母系に持たない繁殖との相性」を象徴しています。
二番手グループ
| 馬名 | 性 | 母父 | 戦績 | 賞金 | 主な勝鞍 |
|---|---|---|---|---|---|
| ナムラクララ | 牝 | Storm Cat | 15戦4勝 | 1億762万円 | 2025年 紅梅S(L) |
| ミクニインスパイア | 牡 | ティンバーカントリー | 9戦4勝 | 7,461万円 | 2025年 グレイトフルS(3勝クラス) |
| テレサ | 牝 | Nathaniel | 10戦3勝 | 6,680万円 | 2025年 柳川特別(2勝クラス) |
| ルージュラナキラ | 牝 | カジノドライヴ | 10戦4勝 | 6,172万円 | 2025年 セプテンバーS(3勝クラス) |
| マーブルパレス | 牝 | クロフネ | 8戦4勝 | 5,615万円 | 2026年 TVh杯(3勝クラス) |
| マーズオデッセイ | 牡 | Freud | 12戦4勝 | 5,582万円 | 2026年 上総S(3勝クラス) |
二番手グループはオープン〜3勝クラスで止まっており、重賞タイトルには届いていません。ここから重賞級が続けて出てくるかどうかが、種牡馬アドマイヤマーズの評価を決める分かれ目です。
なお、この層に牝馬が多いのも特徴で、ナムラクララ・テレサ・ルージュラナキラ・マーブルパレスと上位6頭中4頭が牝馬。牝馬路線を狙う出資者には向いた種牡馬と言えます。
6. データから見えてきた産駒の傾向
- 芝のマイル前後がど真ん中…勝ち星の約7割が芝、平均勝ち距離は芝1,675m。父の現役時代そのままの適性です。
- 仕上がりが早い…2歳戦から動ける産駒が多く、早い時期から出資馬を楽しめます。
- 牝馬に良績が集まる…賞金上位6頭のうち4頭が牝馬。牝馬限定戦を使いながら賞金を積みやすい構成です。
- 母系にサンデーを持たない繁殖と好相性…エンブロイダリー(母父クロフネ)、ナムラクララ(母父Storm Cat)、マーブルパレス(母父クロフネ)と、米国型スピード血統との配合で結果が出ています。
- 長距離は未知数…2,400m以上で突出した産駒はまだ出ていません。ダービーや菊花賞を夢見るタイプの種牡馬ではない、という前提で見るのが現実的です。
- 数字は1頭依存…重賞5勝はすべてエンブロイダリー。層の厚さはこれから証明される段階です。
アドマイヤマーズ産駒の特徴は?評価は上がっているのか
「アドマイヤマーズ産駒 特徴」「種牡馬としての評価」に、数字で答えます。
Q. 成績は伸びているのか
A. 伸びています。EIは累計0.96に対し、2025年1.36、2026年1.27と、直近2年は平均(1.00)を大きく上回る水準です。リーディングも2年連続23位。累計の勝馬率37.9%、重賞5勝という数字も、種付け料を考えれば十分な結果です。
Q. 芝とダート、どちらが向くのか
A. 芝が主体ですが、ダートもこなします。累計で芝492戦61勝(勝率12.4%)、ダート245戦25勝(勝率10.2%)。ダートの勝率が芝と大きく変わらないのが特徴で、芝で伸び悩んだ場合に路線変更が利くタイプです。
Q. 一口出資ではどう考えるべきか
A. コストパフォーマンスで選ぶ種牡馬です。リーディング上位の顔ぶれと比べれば募集価格は抑えられがちですが、EIは直近2年とも1.2を超えています。適性の幅が広いぶん、条件戦で息長く走ってくれる期待が持てます。
7. 社台・サンデー・シルクの募集馬(2026年度募集・2025年産)
当ブログでは社台サラブレッドクラブ・サンデーサラブレッドクラブ・シルクホースクラブの3クラブを中心に募集馬を見ています。ここでも、この3クラブを先に取り上げ、そのあとにほかのクラブをまとめました。アドマイヤマーズ産駒の3クラブでの募集は社台0頭・サンデー3頭・シルク1頭です(2026年8月時点)。
社台サラブレッドクラブ(0頭)
2026年度募集(2025年産)にアドマイヤマーズ産駒の設定はありません。
サンデーサラブレッドクラブ(3頭)
| No. | 募集馬 | 性 | 母父 | 生年月日 | 生産牧場 | 予定厩舎 | 募集総額 | 一口価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 72 | ダンサールの2025 | 牡 | ハーツクライ | 3/18生 | ノーザンファーム | 小林真也 | 6000万円 | 150万円 |
| 73 | フェアリーグルーヴの2025 | 牝 | フェノーメノ | 2/8生 | ノーザンファーム | 新規開業 | 4000万円 | 100万円 |
| 26 | フォークテイルの2025 | 牝 | ロードカナロア | 3/14生 | ノーザンファーム | 相沢郁 | 3000万円 | 75万円 |
各馬の見立てはサンデーレーシング募集馬ツアーまとめ④No.61〜80・サンデーレーシング募集馬ツアーまとめ②No.21〜40で1頭ずつ取り上げています。
シルクホースクラブ(1頭)
| No. | 募集馬 | 性 | 母父 | 予定厩舎 | 生産牧場 | 一口価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 32 | レオパルディナの25 | 牡 | スニッツェル | 西田雄一郎 | 白老F | ¥70,000 |
募集馬の一覧はシルクホースクラブ募集馬一覧に、各馬の見立てはシルクレーシング募集馬ツアーまとめ②No.21〜43にまとめています。
そのほかのクラブ(7頭)
| クラブ | 募集馬 | 性 | 母父 | 生産牧場 | 予定厩舎 | 募集総額 | 一口価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| G1TC | セットスクエアの2025 | 牡 | Reset | ノーザンファーム | 田村康仁 | 4000万円 | 100万円 |
| キャロットC | ゴールドティアの2025 | 牝 | キングカメハメハ | ノーザンファーム | 3200万円 | 8万円 | |
| ラフィアンTC | アセンダントの2025 | 牡 | ダノンバラード | ビッグレッドファーム | 田島俊明 | 2200万円 | 22万円 |
| キャロットC | コンダクトレスの2025 | 牝 | ホワイトマズル | 白老ファーム | 3000万円 | 7.5万円 | |
| キャロットC | パドゥヴァルスの2025 | 牝 | エピファネイア | 白老ファーム | 3000万円 | 7.5万円 | |
| キャロットC | メサルティムの2025 | 牡 | ディープブリランテ | 白老ファーム | 4000万円 | 10万円 | |
| キャロットC | ラクスバラディーの2025 | 牝 | ドゥラメンテ | ノーザンファーム | 3200万円 | 8万円 |
※募集頭数・価格は一口馬主DBおよび各クラブの募集資料をもとに、2026年8月時点で確認できた内容です。最新の募集状況は各クラブの公式サイトでご確認ください。
8. 出資判断のヒントとまとめ
アドマイヤマーズ産駒への出資を検討する際、「早期から活躍を期待できる芝馬が欲しい」という方には非常に魅力的な種牡馬と言えます。新種牡馬ながら初年度から桜花賞馬を輩出した実績は大きく、2歳戦・マイル路線で結果を出しやすい傾向は一口馬主にとって嬉しいポイントでしょう。実際、エンブロイダリーのようにデビュー2戦目で新馬勝ち→重賞制覇とトントン拍子に出世するケースもあり、スピードと勝負根性に優れた産駒が多いことから、初めて出資する方や早い時期の勝ち上がりを重視する方にも向いています。
一方で「クラシック三冠や長距離GIを狙いたい」という玄人志向の出資者には、現時点ではやや距離適性に物足りなさがあるかもしれません。マイル~中距離までの活躍例は豊富ですが、まだ2400m以上で突出した産駒が出ていないため、ダービーや菊花賞向きの大器を求める場合は他の長距離型種牡馬の産駒と比較検討する必要があります。ただし配合次第では距離の壁を超える可能性もあり、例えばスタミナ血統の繁殖牝馬との組み合わせで新たな可能性が生まれる余地は十分にあります。事実、父がマイラーでも母系次第でクラシックホースが出る例は競馬界で珍しくなく、アドマイヤマーズ産駒も今後そうした“大物”が登場する期待を秘めています。
血統面で見ると、クロスや配合相性にも注目したいところです。サンデーサイレンスの血を持つアドマイヤマーズは、母系にサンデーの血を持たない繁殖牝馬との相性が良い傾向にあります。実際、成功例のエンブロイダリー(母父クロフネ)やナムラクララ(母父Storm Cat)はいずれもサンデー過剰にならない配合です。クラブ募集馬のカタログでも、母系に米国型や欧州型のスピード血統を持つアドマイヤマーズ産駒は特に注目してみると良いでしょう。良血馬や高額馬が必ずしも走るとは限りませんが、同世代の他種牡馬産駒に比べて総じて安定感があり、素質を引き出しやすい印象です。
価格面では、エンブロイダリーの活躍以降、募集価格はやや高めに設定される傾向が出ています。2025年産のラインナップも3,000万〜6,000万円が中心です。ただし、そのエンブロイダリー自身が3,000万円の募集馬だったことを思えば、この価格帯から大物が出る余地は十分にあると言えます。実績のない新種牡馬に賭けるよりリスクが読める、というのがこの種牡馬の立ち位置です。
総括すると、アドマイヤマーズは芝のマイル前後・早期完成・牝馬という3つのキーワードで押さえられる種牡馬です。エンブロイダリーという突出した1頭が数字を作っている段階で、二番手グループから重賞級が出てくるかどうかがこれからの焦点。2026年度の種付け料500万円は、その「実績待ち」の位置づけを反映した価格と言えます。
更新履歴
- 2026年8月16日…通年で読める構成に全面改訂。産駒の最新成績データ、活躍馬(エンブロイダリーのGI3勝と二番手グループ)、2026年度種付料500万円、2026年度募集(2025年産)のクラブ別ラインナップを追加。旧版にあった産駒の勝ち鞍の記載に誤りがあったため、netkeiba/JBISのデータで全面的に取り直しました。
- 2026年1月26日…産駒成績を更新。
- 2023年7月2日…初回公開。
▶ ほかの種牡馬と比べたい方は 【種牡馬考察まとめ】一口馬主のための種牡馬ガイド をご覧ください。目的別のおすすめと、リーディング順の比較表を載せています。
出資馬選びに迷ったら
「この父の産駒はどう走るのか」を、産駒成績データ・勝ち上がり率・活躍馬・各クラブの募集状況までまとめています。データは定期的に更新中です。
▶ 【種牡馬考察まとめ】一口馬主のための種牡馬ガイド(28本を目的別・データ順に整理)
- 「まず1勝してほしい」「クラシックを夢見たい」など目的別のおすすめ種牡馬
- 2026年リーディング順の種付料・勝ち上がり率・EI比較表
- 産駒デビュー前の種牡馬(イクイノックスほか)の募集状況
クラブ別の募集馬検討や見学ツアーのレポートは 一口馬主カテゴリ にまとめています。

